adb と fastboot の環境セットアップ

Android のデバッグ・カスタマイズに必要な adb と fastboot を使用する環境のセットアップについて、解説します。

adb fastboot について

adbfastboot は Android の開発環境である Android Studio をインストールすると同時にインストールされます。また、Platform-Tools にも収録されており、Android Studio が必要ない場合は、Platform-Tools をインストールして 2 つのツールを使えるようにすることができます。

Platform-Tools のインストール

Windows の場合

winget を使用する (おすすめ!)

最近の Windows であれば、winget コマンドからインストールすることができます。

まずは、ターミナルを開きます。Windows + R で表示される「ファイル名を指定して実行」で wt と入力して OK をクリックすると、Windows ターミナルが開かれます。そして次のコマンドを実行すると、自動的にインストールされます。

PS > winget install Google.PlatformTools
Windows ターミナルで winget コマンドを使用してインストールしている様子のスクリーンショット。

インストールした adb fastboot には、自動的に Path が通ります。

手動でインストールする

Platform-Tools の配布ページで、「SDK Platform-Tools for Windows をダウンロード」をクリックして利用規約に同意して、ダウンロードします。

Platform-Tools のフォルダを C ドライブ 直下に配置している様子のスクリーンショット。

ダウンロードした ZIP ファイルを展開すると「platform-tools」フォルダが出てきます。これを分かりやすい場所 (C:\ など) に置きます。

Windows + R で表示される「ファイル名を指定して実行」で以下の内容を実行します。実行するときに、Ctrl + Shift を押しながら OK をクリックしたりエンターキーを押してください

rundll32.exe sysdm.cpl,EditEnvironmentVariables
Windows の環境変数の設定ダイアログのスクリーンショット。

「環境変数」ウィンドウが開いたら、「システム環境変数」にある「Path」を選択して「編集」をクリックします。「環境変数名の編集」ウインドウが開いたら、「追加」をクリックして、Platform-Tools を置いた場所を入れます。C:\platform-tools に置いた場合、C:\platform-tools を追加します。追加したら 2 つのウインドウの「OK」をクリックして環境変数の設定を終わります。

macOS の場合

Homebrew でインストールする (Homebrew があるならおすすめ)

macOS 向けパッケージマネージャーである Homebrew がインストールされている場合、Homebrew を使用すると楽にインストールすることができます。もしインストールした覚えがないのであれば、次の「手動でインストールする」で行ってください。

ターミナルで、下記のコマンドを実行してインストールします。

brew install --cask android-platform-tools
macOS のターミナルで Homebrew を使用してインストールしている様子のスクリーンショット。

インストールが終わると、自動的にコマンドが使えるようになっています。

手動でインストールする (Homebrew がないならおすすめ)

Platform-Tools の配布ページで、「SDK Platform-Tools for Mac をダウンロード」をクリックして利用規約に同意して、ダウンロードします。

アプリケーションフォルダに Platform-Tools を配置している様子のスクリーンショット。

ダウンロードした ZIP ファイルを展開すると「platform-tools」フォルダが出てきます。これを分かりやすい場所 (アプリケーション フォルダなど) に置きます。

Command キーと Space キーを押すと Spotlight 検索が起動しますので、「terminal」と検索すると ターミナル.app がヒットしますので、それを開きます。これがターミナルです。下記のコマンドを実行します。

~ % vim ~/.zshrc

すると Vim というテキストエディタが開きますので、次に i キーを押します。するとテキストを挿入するモードになります (左下に INSERT と表示される)。その状態で、以下のテキストを入力 (コピペ) します。

export PATH=$PATH:/Applications/platform-tools
macOS のターミナルで Vim を使用している様子のスクリーンショット。

入力し終えたら、 Escape キーを押します。するとテキストを挿入するモードが終わります (左下から INSERT という文字が消える)。その状態で、:wq と入力します。これはファイルを保存して終了するコマンドです。Enter キーで確定すると、Vim が終了します。ここまでできたら、Command キーと Q キーを同時押しして、ターミナルを終了します。

adb や fastboot を使用するときは、ターミナルを使用します。

Platform-Tools がインストールできたか確認する方法

正しく Platform-Tools がインストールできたか確認するには、実際に adb コマンドを実行して、ツールが動作するか確認します。

$ adb
Windows ターミナルで ADB コマンドを実行している様子のスクリーンショット。

正しくインストールできていると、画像のような adb コマンドを解説するヘルプが表示されます。

USB ドライバーについて

Windows で adb や fastboot を使用する場合、追加のドライバーが必要の場合があります。詳しくは「Windows 環境のドライバーについて」をご覧ください。